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主な成果

ナノ秒UVパルスレーザーによるCFRPの高アスペクト比加工

ICCPTでは、高強度・軽量材料である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の高精度加工を達成するとともに、個別生産技術として航空機・自動車産業への適用を図ることを目的として研究開発を行っています。CFRPの加工法として、複雑な形状を精密に加工でき、高価な消耗部品を必要としないなど優れた利点を持つレーザー加工が望まれていますが、加工領域にレーザーの熱によって変質した部位、つまりHeat Affected Zone;HAZが生じ、機械的強度の低下を招く恐れがあることが課題となっています。
この問題を解決するため、UVパルスレーザーによる高精度レーザー加工法を研究開発しています。目標値は、航空機分野での加工精度要求値:HAZ<5µm、表面粗さRa<3µmです。
図1は、258nmレーザーによるCFRP加工結果です。UVレーザーを用いることにより、走査速度0.1mm/sで1.6mm厚CFRPの高アスペクト比(>80)加工が達成できました。X線CT、およびSEM観察の結果、レーザー加工溝周辺にHAZは確認されていません。図2に、クラック密度(単位長当たりのクラック数)、表1に臨界ひずみ(クラック密度が0.1個/mmの時のひずみ)と表面粗さの測定結果を示します。258nmレーザー加工の臨界ひずみはダイヤモンドカッター加工と同等であり、表面粗さは3µm以下であることが確認できました。以上の結果より、258nmレーザー加工は目標とする加工精度を有することが分かり、機械特性の要求が高い航空機分野への適用も可能であることが示されました。今後は、高出力のUVレーザーを用いて、加工速度の高速化についても検討する予定です。

fig1

M. Moriyama, et al., THERMAL DAMAGE EVALUATION OF CFRP PROCESSED WITH NANOSECOND UV LASER PULSES, 22nd International Conference on Composite Materials (ICCM22), 4103-4, Melbourne, Australia, (2019)

M. Moriyama, et al, IMPROVEMENT OF TRANSVERSE CRACK BEHAVIOR OF CROSS-PLY CFRP PROCESSED WITH NANOSECOND UV LASER PULSES, 16th Japan International SAMPE Symposium & Exhibition (JISSE-16), 1C-06, Tokyo, Japan, (2019)

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参画機関

RIKEN 理化学研究所

MITSUBISHI ELECTRIC 三菱電機株式会社

GIGAPHOTON ギガフォトン株式会社

TORAY 東レ株式会社

フォトンテックイノベーションズ