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RECILSによるハイブリッドロケット燃料の製作

固体燃料と液体酸化剤の組合せを推進剤とするハイブリッドロケットは、安全や安価に加えて酸化剤流量を調整するだけで推進制御できる利点がある反面、低燃焼効率になりやすい欠点もあります。この問題を解決するため、ICCPTでは、北大・永田研究室とともに、端面燃焼型のハイブリッドロケットの研究開発を行っています。これは、燃料を多ポート柱状体(アクリル樹脂)とし、微小なポートの中に酸化剤を流して、アクリル樹脂を酸化剤噴出面で拡散燃焼させるものです。微小な拡散火炎が無数に形成されるため,燃料と酸化剤が混合し易く,1 に近い燃焼効率が得られます。加えて、端面のみで燃焼するこの方法では、常に一定の燃焼面積が得られ、比推力の低下や推力の変化を招かない利点があります(図1)。この端面燃焼型ハイブリッドロケットを構築するためには、数mm以下の内径の長ポートを一定の間隔で多数個開けた樹脂柱が必要となります。しかしながら、これを、一体且つ安定に製作できる手法は、ICCPTにて開発した3DプリンタRECILS以外にはありません。
 図2は、RECILSを用いてアクリル系光硬化樹脂により造形したロケット燃料の一例です。大きさは、38mmφ、長さ107mmで、貫通径は3mmで、これまでに433個造形しています。造形は、一回の造形で3本形成する等生産効率化を図っています(図3)。
 図4は、燃焼の様子を示した写真です。きれいな燃焼が生じていることがわかります。また、酸化剤流量のON/OFFを繰り返して実施したところ、ON時の ξ(酸素と燃料の比)は殆ど変わらないというデータも得られています。これは、燃焼面積が一定のまま燃料が後退していることを意味しており、端面燃焼型ハイブリッドロケットの推進制御特性が優れていることを示すものです。

fig1

fig2

H. Nagata, et al., “Verification Firings of End-burning Type Hybrid Rockets,” Journal of Propulsion and Power, Vol. 33, No. 6, 2017, pp. 1473-1477.
Y. Okutani, et al., “Investigation of Regression rate under High-Pressure in Axial-Injection End-Burning Hybrid Rockets” 53rd AIAA/SAE/ASEE Joint Propulsion Conference, AIAA, Cincinnati, USA, 2018, AIAA2018-4549.

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参画機関

RIKEN 理化学研究所

MITSUBISHI ELECTRIC 三菱電機株式会社

GIGAPHOTON ギガフォトン株式会社

TORAY 東レ株式会社

フォトンテックイノベーションズ